生活習慣チェック
改善アドバイス:たばこの害を正しく知りましょう
たばこはこんな害があります
喫煙は、呼吸器系の病気をはじめ、がんなどの生活習慣病の発症と深くかかわっています。たばこの代表的な有害物質は、ニコチン、一酸化炭素、タールの3つです。ニコチンは血管を収縮させて血圧を上げる作用があり、一酸化炭素は赤血球と結合して体内への酸素の運搬を阻害し、タールにはいろいろな発がん物質が含まれています。
喫煙をはじめる年齢が低いほど、がんや心臓病などの生活習慣病にかかる危険性が高くなります。また、妊娠中や授乳中の喫煙により、早産・流産の危険性も高まり、乳児の突然死に関係するという説もあります。
喫煙者のがんによる死亡の上昇率(非喫煙者と比較)
全がん | 1.65倍 |
口腔・咽頭がん | 2.9倍 |
喉頭がん | 32.5倍 |
食道がん | 2.2倍 |
肺がん | 4.5倍 |
肝臓がん | 2.1倍 |
胃がん | 1.5倍 |
すい臓がん | 1.6倍 |
膀胱がん | 1.6倍 |
[資料:平山雄三(1987)]
分煙に協力を
たばこの害は本人より周囲の人のほうが高い
たばこの煙には、本人が吸い込む煙の主流煙と、たばこの点火部分から空気中にたちのぼる煙の副流煙があります。実はたばこの有害成分は、主流煙よりも副流煙のほうに多く含まれています。つまり、直接たばこを吸わなくても、家庭や職場などで喫煙者のたばこの煙を吸ってしまうこと(受動喫煙)でさまざまな健康被害を受けるのです。
喫煙場所と禁煙場所を分けることを「分煙」といいますが、職場や交通機関、飲食店などの公共の場所では分煙化が進んでいます。たばこを吸う人、吸わない人がお互いに気持ちよくすごすために、喫煙者はマナーを守ってたばこを吸うことが求められています。
<喫煙マナー>
- 吸いがらはきちんと片づけましょう
- 周囲の人にも配慮をしましょう
- 決められた喫煙場所で吸いましょう
禁煙対策 あなたの喫煙タイプはどれ?
喫煙タイプ | 傾向 | 対策 |
---|---|---|
依存型 | 30〜40分に1本は吸う | ⇒ 吸いたくなったら散歩する |
刺激型 | 元気づけに、まずは1服することが多い | ⇒ 温かいものを飲む |
習慣型 | 無意識に吸っていることが多い | ⇒ 生活習慣を変えてみる |
感覚型 | 口にくわえていると安心する | ⇒ 手に小物をもつ |
逃避型 | たばこによって感情をコントロールする | ⇒ 水を飲む |
くつろぎ型 | 喫煙でリラックスしようとするタイプ | ⇒ 趣味に打ち込む |
禁煙成功のカギを握る9か条
- 禁煙は1人より複数で励ましあって実行。
- 同僚や家族に禁煙宣言をする。
- 口さびしくなったらミントのガムや飴でまぎらわす。
- 一服したくなったら体操や散歩をする。
- イライラしたら深呼吸で気をしずめる。
- コーヒーやお酒をたばこのきっかけにしない。
- 灰皿、ライターはくずかごへ。
- 食後はすぐ食卓を離れ、あと片づけや散歩を。
- たばこを吸う人には近づかない。
禁煙を助けるこんな商品もあります
禁煙用のグッズに、禁煙用のパイプや飴、お茶などがありますが、最近、処方による「ニコチンパッチ」や、市販されている「ニコチンガム」を使用して、徐々にニコチンの量を減らしていくことで、たばこの禁断症状をおさえるというものが認可されました。こうしたグッズを活用して、健康のために禁煙に挑戦してみませんか。
ただし、どれも禁煙の手助けのひとつで、もっとも大切なのは禁煙する“意志”であることを忘れずに。